家康も好んだ「折戸なす」

先日、静岡市清水区の三保にある「折戸なす」の生産者のところにおじゃましてきました。

個人的に在来野菜の興味を持っていて、圃場の見学、生産者のお話を聞いてきました。

                    こちらが折戸なすです!

初夢に見ると縁起が良いとされる「一富士 ニ鷹 三茄子」は徳川家康が好んだ説があります。ナス好きの家康が口にしたのは、現在の静岡市清水区折戸付近で生産された「折戸ナス」だと伝われています。

技術発展により、日本全国どこに行っても同じような農産物が作られる今日。県中部の農業振興を図るには「その土地にしかない農業」が不可欠だと考えて、江戸時代の古文書に「折戸の献上ナス」を見つけました。その種が三重県の試験場に保存されていたのを知り、折戸ナス復活物語りが始まります。

江戸時代から明治時代まで栽培され途絶えたものを平成17年から復活させたわけですが生産者は現在5名しかいません。圃場面積も小さく、せっかく貴重なナスを復活できたわけですから折戸ナス生産者がどんどん増えていってもらいたいです。

つややかな紺の皮に包まれた丸い形と、ときにプロが扱いにくいと嘆くほどに濃厚な味。

生産量が少なく、全量市場出荷の為、県民でも折戸ナスの存在を知らない人が多く、どこに売っているのかも分からない方は多いと思います。当然、生産者もどうやって自分の作ったものが食べられているのか、どこに売られているのか分かりません。

作り手と食べる側の相互理解こそが農業の発展には必須なことだと常に感じているので自分で作ったものがどのように料理されるのか、この折戸ナスに関しても今働きかけています。あのシェフなら!!という人にお願いしたので、とても楽しみです。

生産量の問題はありますが、地元の料理店に関しても連携による料理方法の検討を進めていきたいと思っています。

土屋

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